FAME II試験の患者登録早期終了が発表されました。OMT単独群が、PCIプラスOMT群に比し、有意(highly significant)にイベント発生が多かったため、ということです。
FAME II試験は、COURAGE試験を受けて企画されました。COURAGE試験ではOMT群とPCIプラスOMT群の予後が変わりなかったという結果でしたが、そのPCIの適応判断の根拠にFFRは用いられていませんでした。そこで冠動脈造影にて1枝以上にDESによる治療が適していると考えられる狭窄を有する症例を対象に、全例でFFRを計測し、FFR≦0.80の狭窄を1枝以上に有する症例をランダム割り付けし、OMT群、OMTプラスPCI群とされました。また狭窄は存在するものの、すべてにおいてFFR>0.80であったものはB群としOMTにより追跡されることになっています。1800例の登録が予定されていましたが、1219例の登録が既に行われており、今後はその症例の追跡が行われるようです。
OMT単独よりもPCIプラスOMTの結果が良かったのは当然の結果ではあると思いますが、問題となったイベント内容が緊急再入院およびurgent PCIということで、現時点では死亡、心筋梗塞の差が出ていないということが、多少気になります。緊急入院の適応がかなり主観的であるためです。今後死亡・心筋梗塞のイベントがどうなるかが重要と思います。1219例の登録がされており、follow upの結果が期待されます。